うつを治すには原因を知ること.育った家庭に治すヒントが?
「うつ病を治すには心療内科に通えばいい」
これは確かに間違っていないと思います.うつを治すには心療内科やメンタルクリニックに通う必要があります.最近は有効な抗うつ薬もありますし,不眠をコントロールできるようになる薬ももらえます.
しかし,それだけで大丈夫でしょうか?
ぼくが初めてうつになって治療に取り組んでいたころ,病院に通うだけでは全くよくならないと感じていた経験があります.
もちろん,原因が明らかに職場にあるなど明確な場合はその原因にフォーカスした治療で順調に治るでしょう.しかし,それだけではよくならない場合もある.
もしかしたらそのような人は,もう一段階深い原因があるかもしれません.
周りの人が平気で耐えられるストレスに自分は耐えられない.なんでもない人づきあいが極端に苦痛.このような昔のぼくのような人はうつを治療するだけでは根本的な解決になりません.
なぜなら,究極の原因は育った家庭にあるかもしれないからです.
健康に見える不健康な家庭
世の中に完璧な家庭なんてありません.しかし,子どもが健康に育てる家庭とそうでない家庭があるのもまた事実です.
そして,子どもにとって良い環境かどうかは経済状況や両親がそろっているかという要素はあまり関係ありません.実際,ぼくの育った家庭は中学生ごろまでは経済的には中の上くらい,両親ともに健康で外面は問題のない家庭に見えたでしょう.
ところが,内側に入ってみると両親は日常的に喧嘩し,喧嘩をしていないときも冷戦状態でいつもぴりぴりしていました.そんな状態では子どもにとって健康的な家庭とは言えません.
そして,このような家庭の怖いところは周囲の人に相談しても理解してもらえないことです.
そんな恵まれた環境にいるのに何を文句を言っているのか? なぜそんなにわがまま贅沢をいうのか? なんて言葉を返された日には子どもは「自分がおかしいのだ.自分がわがままなのだ」と口をつぐむしかありません.実際,子どもは自分で稼ぐことができないのが普通ですから.
というわけで,ここで一度自分に改めて問うてみてほしいのです.
「あなたの育った家庭は本当にあなたにとって居心地のよい場所でしたか?」
愛着障害という視点
さて,家庭に問題があったときに大人になってからどのような影響があるのでしょうか?
生育環境が最も如実に影響を与えるもの,それは対人関係におけるストレス耐性です.
ここで一気に問題がうつ病とつながります.深層心理学者アルフレッド・アドラーが「人の悩みはすべて対人関係の悩みである」と言い切ったほど,対人関係というものは人生の大きな要素です.
そして,対人関係でうまくいかず日常的にストレスを抱えてしまう.するととたんにうつ病のリスクが高まるわけです.
では,生育環境が良くないと対人関係にストレスを抱えてしまいやすいのでしょうか?
わかりやすくいってしまえば,人と接するときに自信を持てないからです.自分はこれでいい.自分はこれで間違っていないし,もし間違っていても修正すればいい.そう思えるための根源的な安心感がないのです.
最近では岡田尊司先生の書籍で愛着障害という視点が提案されています.自分に自信がない.根源的な安心感が持てない.その原因を突き詰めて考えた書籍です.
ぼくがここで言いたいことは,愛着障害という視点を持つことで問題解決の本質が見えるかもしれない,ということです.
さいごに
愛着障害に関してはまた改めて深掘りしたいと思います.
とてもじゃないですが簡単にまとめられるないようではありませんし,重要なアイデアにあふれているからです.では,引き続きうつの治療の根本原因を解明して,本当の意味でうつを治せるようなヒントを提供できるよう記事を書いていきます.
次回もよろしくお願いします.
うつ病で高校を留年した現在25歳くらいの男.うつになっても立派に生きていけるし, 幸せにもなれるということを発信していきたい.様々な赤裸々話を抉り出していきたいので顔は隠しています.うつ病になってはじめて気づいた,人々を苦しめる仕組みや社会のおかしな部分を少しでも良くするために「こんなことって実は問題なんじゃないか?」ということを書いていきます.