生きづらさの克服

考える力とは何か.コロナ禍と戦う受験生へ.

Summary

ぼくは大学生時代に塾講師をしていました。 集団授業を担当していて当時中学3年生だ […]

勉強

ぼくは大学生時代に塾講師をしていました。

集団授業を担当していて当時中学3年生だった子たちは今年18歳、つまり大学受験の代です。

そこで、メッセージを書きたいと思いました。

コロナ禍にさいなまれた大変な受験生活になるからです。

ただ、メッセージの内容を考えているうちにこの内容はもっと多くの人に読んでもらえたらいいなと思うようになりました。ぼくとしてとても大切な内容に思えるからです。

そこで、全国の受験生に、これから受験の天王山と言われる夏休みを迎える時期に、激励の意味を込めてこのメッセージを送りたいと思います。

異論も反論も認めます。むしろ大歓迎です。

異論反論が出てくるということは自分の頭で考えているということだからです。これからの世代にはぜひこの「自分の頭で考える力」を付けてほしいと思うのです。

 

今の時代、受験の持つ意味とは何か

さて、ぼくが考える今の時代における受験の捉え方を提案したいと思います。

それは「失敗する場」です。

ぼくは中学生以来ずっと考えていたテーマがあります。それは先ほども出てきましたが自分の頭で考える力をつけるにはどうすれば良いか、というものです。

中学生の頃から生きづらさを感じていたぼくは、「なんで自分はこんなに生きづらさを感じるんだろう」とずっと疑問を持っていました。

しかし、考えても答えは簡単には出ません。

そこでぼくが出した結論は「まずは自分で考える力をつけるべきだ」というものです。

そして、この自分で考える力をつけるための格好の練習場として受験を使ってほしいんです。

では、ぼくが10年間考えてきた「自分で考える力」とはなんでしょうか。まずはそれを考えたいと思います。

 

自分で考える力とは何か

結論から書きましょう。ぼくが考える「自分で考える力」とは、

「なぜと問い続ける力」+「失敗し続ける力」

です。

これは言い換えてしまえば、思考力とその思考を現実問題に適応していく力である思考適応力と言ってもいいかもしれません。

つまり、

思考力 = なぜと問い続ける力

思考適応力 = 失敗し続ける力

です。

自分で考える力 = 思考力 + 思考適応力

と言ってもいいということです。

なぜこの2つなのかという理由を説明します。

まず、前者に関してはあまり多くの反論は無いと思います。世の中で思考力が高い人と言われるのはだいたい数学ができる人とか難しい概念を理解できる人というイメージがあると思います。

ぼくが高校生のころにもそう思っていました。

なぜ彼らが難しい概念を理解することができるのかというとこの「なぜと問い続ける力」=思考力が強いからです。

なぜこうなるのか? という疑問に自分が納得するまで答えを探し続けるという訓練をしていくうちに思考力はどんどん鍛えられるのです。

ぼくも学生時代はこの「なぜと問い続ける力」こそ考える力だと思っていました。

だから、ぼくは数学というものに強く惹かれ、大学時代には生物学科からわざわざ転学科して数学科に行きました。それが生きづらさを解消する道だと信じていたからです。

そして、そこからは数学に没頭する日々でした。

数学に明け暮れる日々を送るうちに、気づけばかなり数学ができるようになっていました。研究室の先生に「君なら数学者を目指せる」と言ってもらえた時にはすごく嬉しかったです。

しかし、ふと気づいたことがありました。

ぼくは果たして今、生きづらさを克服したと言えるだろうか?

その問に対し、ぼくは答えることができませんでした。

そして、「なぜと問い続ける力」だけがあっても、それを現実の問題に対して上手に使うことができなければ生きづらさの解消はできないという極めて重要な、しかし気づいてみれば当たり前なことに気づきました。

様々な問題(経済的な問題や家族関係の問題)があり、博士進学の道を断念したぼくは途方に暮れました。

「なぜと問い続ける力」だけを鍛えてきたぼくは、現実問題に対応する力にとても乏しいことに自分で気づきました。

これから先の人生をどう進んでいけば分からなくなってしまったのです。この状態に陥ったのが2年ほど前のぼくです。

そのときに初めて気づいたのが後者の力です。

つまり、「失敗し続ける力=思考適応力です。

また、その後もいろいろなことを考え続けて悟ったことは、失敗をいかに上手に積み上げるかが現実問題に対する極めて重要なポイントであるということに気づきました。

失敗していくだけでは意味がないです。

しかし、あらゆるパターンの失敗をし尽してしまえばあとはどう動いても成功しかしないのです。

そして、失敗の仕方を積み上げていく中で、「なぜと問い続ける力」は極めて役に立ちます。

なぜ失敗したのか。なぜこのやり方でうまくいったのか。どこを改善したらいいのか。

このような改善をするときには「なぜと問い続ける力」が極めて力を発揮します。

つまり「なぜと問い続ける力」+「失敗し続ける力」の両輪がそろって初めて、現実問題にうまく対応し、よりよい人生を自分で作り上げていくことができるのです。

 

なぜ受験が失敗の場なのか

さて、最初の話題にもどります。

ここまで読んでくださった方はもうわかるでしょう。

受験というは格好の「失敗する練習」を積める場所です。

  • どうやったら成績が上がるのか?
  • どの教科をどのくらいとればいいか?
  • どの時期に何をやるべきか?

これらを考え、試行錯誤し、失敗を積み上げることができる格好の練習場が受験です。そして、受験の結果は関係ありません。

受験の結果は平等ではありません。お金持ちの家に生まれた子は塾に行かせてもらい、受かりやすくなるでしょう。

しかし、「失敗の場」としての受験は全員に平等です。

むしろ、塾に行っていない人の方が有利なくらいかもしれません。

そして、間違いなくこれからの時代に活躍していける人は、ただ勉強ができる人ではなく、失敗を積んできた「失敗し続ける力」を身に着けた人たちです。

どうぞ、学歴社会だなどといって落ち込まないでください。

受験で失敗した程度で人生は終わりません。むしろ、そこで失敗する力をつけた人の方が後から伸びます。

では、コロナで大変な時期ですが、受験生の皆さん、盛大に失敗を積み重ねていきましょう。

受かっても受からなくても、最高の受験生活は作れると思います。

そして、自分にとって幸せとはなにかを、しっかりと自分の頭で考えられる人になってほしいと思います。

 

 

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