うつ治療

親しい人がうつ病になったら, どう接する? 経験者が嬉しかった接し方.

Summary

大切な人がうつ病になってしまった。 そんなとき、近くで見ていることしかできない方 […]

大切な人がうつ病になってしまった。

そんなとき、近くで見ていることしかできない方もとても辛いと思います。

ぼくも2年ほど前にうつ病を再発した際、近くで支えてくれた友人に「俺でもこんなに精神的に揺れることがあるんだと自分でびっくりした」と言われました。

うつ状態になっている人間は、はたから見ると本人の自覚以上に危うく見えるようで「いつ自殺するんじゃないか」とかなりの心配を周囲の方々にかけてしまうようでした。

その友人はかなり精神的にタフな、まさしくタフガイといった人です。それでもそこまで精神的に揺れてしまうということは普通はうつ病の患者を支えることはとてもハードだと思います。

そこで、この記事では、うつ患者本人の目線から見た「このように接してくれるのが一番うれしかった。このような接し方が最善だったと思う」という接し方を共有したいと思います

現在、大切な人を支える立場にいる人が最善を尽くすためのお手伝いになれれば幸いです

 

こんな風に接してくれると嬉しかった

ぼくは人生で2度うつ病になった経験があります。そして、1回目と2回目では状況がかなり違いました。

とくに大きな違いはストレッサーが近くにあるかないかです

ぼくがうつになった最大の原因は家庭にありました。15歳で初めてうつになったときは当然実家に住んでいましたので、ストレッサーは近くにあるままでした。しかし、2年前に再発したときには一人暮らしでしたので家族はそばにいませんでした。

このことから2パターンに分けて嬉しかった接し方を思い出したいと思います。

ストレッサーが近くにある場合

ストレッサーが近くにある場合は何よりもまずそれを取り除いてほしい、もしくは取り除くことが不可能ならばせめて全面的に自分の味方であってほしいという気持ちがありました。

15歳の時点で家庭がストレッサーである場合、取り除くのはまず無理です。

そんなときは、「あなたの家庭はあなたにとって良くない。あなたは悪くない」といった風に、自分の味方になってくれる存在がいたらとても嬉しかったと思います。

なので、あなたにとって大切な人のストレッサーが明らかな場合は、あなたが味方になってあげることで救われます

しかし、厄介な場合はストレッサーが何か分からない場合です。

実はぼくも15歳の段階ではまさか自分の家庭がおかしいなどと思ってもみせんでした。実感としては「なんだかいつも気分が沈む。原因は分からないけどいつも気が重くて友達とも楽しく付き合えないし部活も勉強もはかどらない」といった感じでした。

つまり、原因不明のまま何もかもうまくいかない感じです。

実はこれがめちゃくちゃ辛かったです。

病院に行ってうつだと診断はもらいましたが、親は「甘えてるだけだ」で済ませていましたし、ぼくも自分は甘えてるんじゃないと100%自信を持てるほど精神的に自立していませんでした。

そんなときは、「おかしいのはお前じゃない。おかしいのは家族の方だ」とストレッサーを突き止め、問題を指摘してくれる人がいてくれると嬉しかったと思います

つまり、ストレッサーが何か本人が分かっていない場合は、

  • 本人の話を受け身でじっくり聞く
  • 話からストレッサーがなにか探る
  • 突き止められたら指摘する

という対応が嬉しかったと思います。

もし突き止められなくても、話をじっくり聞いてもらうだけでもかなり救われました。

 

ストレッサーが近くにない場合

ストレッサーが近くにない場合、すでにメンタルクリニック等に通っていればあとは時間とともに緩やかな回復に向かっていくと思います

本人が「なにかを頑張らなきゃ」と焦っていたりした場合、「そんなに頑張らなくてもゆっくりしちゃえば?」くらいの軽いアドバイスをしてくれると嬉しかったです。

本人は分かっていても「うつ病がもし治ってもこのままじゃ人生が終わる!」とか思っていたりするので、「大丈夫だからもっと気楽にやれよ」くらいの声が嬉しいです。

また、どうしても本人が「このままじゃうつが治っても人生終わる病」にかかっていたら何が不安なのか聞きだし、解決策を共に探ってもらえると嬉しかったです

たとえば、ぼくは人と関わることに極端に苦手意識を持っていて自分はみんなに嫌われるという謎の信念をもっていました。だから、うつが治って社会復帰したところでまたうつになって無限ループに陥って死ぬ、と半ば本気で信じていました。

それなら人と関わる方法を練習して少しずつ上手に接していけるように成長していけばよいだけのことなのですが、自分は絶対に成長などできないという変な確信がありました。

このような間違った確信をもっていそうな場合は「そんなことないよ。お前ならできるよ」と言ってもらえたのがとても嬉しかったです。言われた瞬間は「そんなことないよ、できないよ」と(いま思うと某シンジ君のような)ことを言ってしまっていましたが、あなたに「きっとできるよ」と言ってもらった言葉は頭の奥底に確実に蓄積されていきます。

実際ぼくはそうでした。

例のタフガイの友人は「おまえはあのときこんなにすごくてこんなに優秀なやつなんだから、人間関係くらいちょっと練習すればすぐできるようになるよ!」と繰り返し言ってくれました。それで少しずつ自分にもできるかも、と思うようになっていきました。

結果、いまはすごく元気です。

 

あなたの大切な人もきっとよくなる

うつに人間と接するときにはある心構えが必要です。それは、うつ病もしっかり手順を踏めば必ず回復はするということです。

順調に回復し続けるということはないかもしれませんが、長い時間で見ると少しずつ良くなっていくはずです。

これは当たり前のことなのですが、うつ病というのはただの病気です。

脳内の分泌物やそれを受け取るための器官の調子が狂うことで起こるそうです。つまり、呪いとかそういう超常的なものではないので、状況さえ整えば必ず良くなります。

したがって、あなたの大切な人も基本的にしっかり休んでストレッサーがなくなれば必ず治ります。

なので、まずは大切な人がうつになったら、まずはあなたが必ず治ると信じてください。

うつ人間の負のオーラはすごいと思うのであなたまでしんどくなってしまうと思います。しかし、必ずいつかは治るのですから大丈夫です。

なので、そばにいるあなたの心をまず守ってください。必ず大丈夫ですから。

 

最終的にできること=待つこと

以上、うつの人間がかけてもらうと嬉しい言葉と、接するときの気持ちの持ち方を説明しました。

基本的にはこれらで全てです。

そして、さいごに一つだけとても大切なことがあります。

それは待ってくれることです

うつ病は本人が何とかしようとしてもどうしても波ができる病気です。治療期間中も一進一退を繰り返すと思います。

なので、気長に待ってもらえると嬉しいです。

逆に一生懸命、「あれもしてあげよう、これもしてあげよう」と世話を焼かれてしまうとなかなか元気になれない自分を責め始めてかえって状況が悪化します。

なので、基本的に気長に、たまに手を差し伸べてくれるくらいで十分嬉しいです。

あとは放置というか、回復することを気長に待ってくれる存在はとてもありがたいです。

まとめますが、できることをしてくれたらあとは気長に気楽に待ってくれるのがとても嬉しいです。

 

また、嬉しい接し方の具体例の一つですが、この言葉は嬉しかったという記事も読んでいただけると参考になるかもしれません。

→生きてほしいと言われたのがすごくじわじわ効いた話「うつを治す.自殺したかったぼくを引き留めた友人の言葉.

https://mgitsune.org/2020/07/28/utsu_tiryou-0003/

 

 

 

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