【虐待】虐待の連鎖「なぜ母はヒステリックになったか」【母】
母親が重くて辛い。
このような悩みを抱えている人は意外にも多いということが最近分かってきました。
ぼくは大学生のころ中3生を相手に塾講師をやっていました。
彼らは受験をプレッシャーに感じながらも一生懸命生活していました。
そのなかでちらほら聞こえてきたのが「母親の異常性」です。
異常性というと少し言葉が強いですが、母親というものは我が子のこととなると必死になってしまい異常に執着してしまうことがあるようです。
この記事では母親というものを少し深く掘り下げてみましょう。
この記事をおすすめしたい人・母親が重いと感じる人
・健康的な親子関係が分からなくなってしまった人
・自分の母親を客観的に見たい人
自分の親を客観的に見つめることで、問題点を冷静に考えることができます。
結果的にどのように行動したらよいかが分かるようになり、最善の一手を打てます。
親子という関係は特別な人間関係であるがゆえに少し複雑になりがちです。しかし、人間関係の悩みであるという基礎基本がわかってくれば対策は可能です。
今回は母親との関係という悩みにコミットしていきましょう。
目次
なぜ母親はヒステリックになるか.
結論から言うと「母親も自分の人生を充実させたい」と思っているからです。
なぜなら母親とて人間だからです。「いい人生にしたい」と感じてしまうのは自然な感情です。
そこで、ぼくの母親がヒステリックな教育ママになってしまった背景分析を例示しましょう。
父親が子育てに非協力的だった
父が子育てに協力してくれず、とくに僕が0~2歳くらいの頃、母はなかなか辛い時間を過ごしたそうです。
平成初期はまだまだ昭和的な働き方が抜けておらず、残業もたくさんあって当たり前という時代です。
父は毎晩遅くまで帰ってこず、帰ってきても疲れてきっているので子育てどころではなかったそうです。
たとえば、こんなエピソードを話してくれました。
日中は子育てに大変。母親が仕事をさぼると子供は死ぬから目を離せない。それでも子供はかわいいもので、「こんな素敵なことがあった」という感動もたくさんあった。
それを仕事から帰ってきた父親に話してあげようとすると「こっちは仕事で疲れてるんだからどうでもいい話はするな!」と叱られる。
もう2度と子育ての感動は共有してやらないと思った。
そう言っていました。
夫婦の関係の問題がつもりつもって、母親は家庭という場所に不満を募らせていったのでしょう。
POINT夫婦の問題で母親は人生に対する非充実感を募らせていた
世間体に押しつぶされていた
過度に世間体を気にする人もまた子育てにおいてヒステリックになりがちです。
ぼくの母は世間体を気にするあまり「息子は自分の作品」というような認識を持っていたのだと思います。
子どもに対する世間の評価がそのまま自分に対する評価であるかのように錯覚してしまったのでしょう。
結果的に「あれもこれもやらせなきゃ」と大量の習い事をやらせる教育ママになってしまいました。
ここに関するエピソードとしては、
昔、ぼくが生まれたすぐあとくらいに父方の親類から電話があった。
「よく男の子を生んでくれた。これは○○家は安泰だ!」と言われたそう。
父の家系は旧家というわけではないしそこまで家柄がすごいわけではないけど、それでも旧帝国大学時代の九州大学に何人も入学させたような家系だったらしい。
つまり、優れた家系という自負はそれなりに持っている家で、ぼくはその家の直系に当たるので立派な子に育ててほしいということだったよう。
とくに家柄が良いわけでもなく学歴があるわけでもない母親にとってはプレッシャーだったよう。
このような背景がありました。
良心それぞれの事情というものを知ると色々なことが客観的に見えてきました。
POINT世間体を気にしやすいと過度なプレッシャーがかかる
いわゆる「教養」がない
教養がないと「自分がやっていることは本当に正しいか」という疑問を持つことができなくなってしまいます。
もちろん子育ては手探りでやらなければならないという基礎は変わりません。
しかし、それでも様々な教養(特に本から吸収できる知識)を身に付けていくことによって、手探りの精度は飛躍的に高まるものです。
ぼくの母は本がとても嫌いな人でした。
その結果、日常生活で問題が起きてもどうやったら解決できるのかという思考を持つことが全くできない人になってしまいました。
解決思考は男性的な役割かもしれませんが、ある程度は女性も身に付けるべきだとぼくは考えます。
母はなんでも「自己流」でやろうとした結果、うまくいっていないことも改善していくことができず、子どもをどんどん追い詰めていきました。
ここまでの内容にも少し関わりますが、
- 自分が過度に世間体を気にしているということ
- 父親の態度に不満を持っている現状にどう対処すべきか
ということも深く考えれば解決策はあったはずです。
このように問題を問題のまま放置するような態度に陥らないためにも、ある程度の知識・教養を身に付けていくことは大人になってからこそ重要です。
POINT知識・教養の無さから問題の自覚および解決ができなかった
母親との関係をどう改善していくか.
最初に大切なことをいっておくと、「関係を改善する」ということは「仲良しになる」ということでは全くありません。
「関係の改善」とはあくまで自分が心地よいと思える距離を母親ととることができるということです。
最悪の場合は完全に縁を切ることが最善の関係改善であることだってありえます。
ここでは、ぼくにとってとても有効だった「母親との関係改善」について考えてみましょう。
最も大切なことは「自分が心地よいこと」
結論を最初に書くと、関係改善が必要なのは自分が今不快感や生きづらさを抱えているからです。
そういった負の感情が全くないのであれば無理して関係を改善する必要はありません。
冒頭にも書きましたが関係を改善することと仲良くすることは全く異なります。
距離を置くことが関係改善の一番の手であることは少なくないと思います。
POINTあくまでも最終的なゴールは自分がよい人生を送れるようになること
物理的な距離をとる
まずは物理的な距離をとってしまうことはぼくにとって非常に重要なことでした。
すぐに会えない状態を作ることで、自分自身の心理的な傷を癒すことにじっくり時間をかけることができました。
繰り返しになりますが、最終的には自分の人生を立て直すことが目的なので、自分のの居心地の良さにコミットすることが非常に大切です。
ぼくは大学院に進学するタイミングで奨学金と大学時代のアルバイトの貯金、祖父母に頼んだ経済的な援助で一人暮らしをしました。
この一人暮らしをきかっかけに2年ほどかけてかなり心の傷が回復したと思います。
結果的に母親との人間関係もよくなっていきました。
POINT物理的に距離をとってしまうこともあり
信頼できる友人に相談する
これはもしそういう友人がいれば、という話です。
ぼくの場合はたまたま高校以来の友人が理解を示してくれたのと、精神科の先生との相性が良かったのと、大学院の無料カウンセリングの先生が良い方だったんで、3人の人に頼ることができました。
1週間に1度はいずれかの人と会える状況が整っていたので、色々な話をして、浮き沈みしながらも親の問題に取り組むことができました。
実はこのころはうつ病を患っていたので結構大変でした。
しかし、人に頼って孤立せずにいられることがとても大切だったと思います。
POINT(対人恐怖などがなく)可能なら人に頼る。
信頼できる本に頼る
本に頼ることはとても大切です。
ぼくは中学生以来、弱くない対人恐怖がありましたので人に頼ることよりも本に頼ることの方が気楽にできました。
人には決して相談できないようなことでも、本を探せば答えが載っていたりしたこともあります。
最大のポイントは本は一人でも読めるということです。
心理的な傷からストレスを感じやすく、人と接することが辛いという場合でも本を読むことはできたりします。
POINT人に頼れないことは本に頼る
とても役に立たった本.
最後にとても有益な情報にあふれている本を紹介します。
ぼくはこれらの本を読んだから親子関係の問題から解放され自分の人生が送れるようになったと思っています。
どれも非常に大切な本です。ぜひ手に取ってみてください。
●「道は開ける」(D・カーネギー)
何度も紹介していますが本当に効果のある本なので紹介します。
自分の傷を癒していくにもまずはある程度安定した状態に至る必要があります。
病気になった時にはまずは安静にするのと同じで、まずは心を安静な状態にもっていくために役に立つ本です。
●「毒になる親」&「毒になる母」(スーザン・フォワード)
日本で毒親という言葉が生まれるきっかけになった伝説的な本です。
親に困っている人には必読の書でしょう。
これら本はあまり親と仲直りすることは目指していないということに特徴があります。
自分の親を客観的に見るためにはぜひ一度は読んでおいたほうが良いと思います。
●「愛着障害の克服」(岡田尊司)
愛着という着眼点から日常生活で精神的に不安定になりやすい人の特徴と原因を非常に的確にしてきしている本です。
愛着は幼少期の親との関係ではぐくまれるもので、一度ダメージを受けるとなかなか立ち直れないという文脈で描かれています。
しかし、ぼくはこの本をヒントにかなり生きやすい精神状態に至れました。
過去は変えられないという点で読んでいて辛くなることもありますが、有益な着眼点もたくさんくれる極めていい本です。
●「パーソナリティ障害」(岡田尊司)
愛着障害が原因で発症するパーソナリティ障害。
言ってしまえば性格の過度な偏りのことですが、それらを体系的にまとめて歴史的な人物の特徴を考察しながら克服の道を探っていく本です。
自己診断のためのチェックシートもついていて、読めば読むほど「当たっている」と思わせる上に効果もある本です。
この本も極めて役に立ちました。
うつ病で高校を留年した現在25歳くらいの男.うつになっても立派に生きていけるし, 幸せにもなれるということを発信していきたい.様々な赤裸々話を抉り出していきたいので顔は隠しています.うつ病になってはじめて気づいた,人々を苦しめる仕組みや社会のおかしな部分を少しでも良くするために「こんなことって実は問題なんじゃないか?」ということを書いていきます.